老いの実感

 最近は連休になると体を持て余すことがある。天気がいい時はなおさらだ。先日、昼飯を外で済ませそのついでに散歩をしてみよう、そう思い外に出た。
 意外なことに気が付いた。ぶらりぶらりと歩いている老人が多い。「一体どうしてこんなに多いのか。」「なんの目的で歩いているのか。」私は不思議に思った。その瞬間「あっ」と気が付いた…。「彼らも散歩なんだ!」。そして愕然とした。「自分も歳をとり仲間になったのだ」と心の中で叫んだ。これまで道行く人をそんな目で見たことはなかった。淋しい気持ちになった。だが、くよくよ思ってみてもしかたがない。
 小一時間で家に帰った。八十近くになる義母が来ていた。実際の年齢よりずいぶんと若くみえる。未だ自分で車の運転をしている。娘(つまり、私の家内)となにやら談笑していた。私は感じたことを告げた。笑いながら「縁側で、陽なたぼっこが、年寄りのイメージでしたが、このごろは、活動的になったわよ。」そう言った。
 いずれにせよ、老いの入り口に立っているのを自覚させられた時間帯だった。