女帝

 女性天皇が誕生する形勢になってきた。日本の歴史上、女性天皇はいた。宇宙の果てから“卑弥呼”が「出てくるのが遅かったわね」と呼んだのかもしれない。
 愛知万博の開催期間中、皇太子様と同妃が会場を訪問された。雅子様は、体調の御都合もあり公務を控えられている中だったので、世間の関心は一段と強いものがあった。
 その日、私はたまたま名古屋駅の裏辺りを歩いていた。腹が減ったので、かねてから一度行ってみたかった通称・駅麺通り(―横町だったかな?)でラーメンを食おうと思った。黒山の人だかりだった。「何かあるな」と感じて隣の女高生に尋ねた。その子は首を傾げながら「(時期)天皇らしい」と言った。「見れるチャンスだ」と一瞬思ったが、10分位後とのこと。「時間がない」、残念だが諦めた。人混みを掻き分ける気にはなれなかった。そこでラーメンを食おうとの庶民的願いは空振りに終った。
 皇室関係の方とは高校生の時、現天皇の皇太子時代に(美智子様もごいっしょ)宿泊先のホテルから出られるところに偶然出くわした。周りの人たちが「万歳、万歳」と叫んでいたのを憶えている。中京競馬場では高松宮を見た。雲の上の人たちのお話で私の生活には直接関係はない。今、天皇制そのものについて意見を交し合う気も毛頭ない。
 御相手ではなく自分の子供が女帝になる―雅子様の御心境は誰にも分からない。