高額の買い物

 耐震強度の偽装問題で日本中がてんやわんやの大騒動になっている。テレビに出演した弁護士が「物権の所有権は手放すが、ローンだけが残る可能性がある」と云っている。眠られずに困っている住民の方々への補償が急務だ。
 手品師のマギー司郎さんが「徹子の部屋」に出演した際、「人間、家を買うために生まれてきたわけではないからね」と云った言葉が印象に残っている―。家内によると、私は定年までにローンが終るか、終らないかギリギリらしい。従来、大方の日本人にとって「家」は一生に一度のお買い物とも云われて来た。
 今回の騒動で、高額の買い物の難しさを改めて感じた。絵画のオークションでは価格が段々とつり上がって行く。家は安いからいいなんてものじゃぁない。高い方が反ってよく売れる。着物もそうだと聞いたことがある。買い手は見得もある。若い頃、車の購入で自分の予算枠を超える車が欲しくなって無理をしてローンを組んだことがある。女性の化粧品なんかもそうらしい。「安物買いの銭失い」という言葉もあるが、少々高くても良い物を買うのが基本の考え方ではないか。
 それにしてもどうしてチェック機能が働かなくなってしまったのだろうか。