喧嘩の仕方

 僕は小学生の時、いじめられそうになった経験があるが、その際、助けてくれた近所の高校生のお兄さんがいた。彼は日本生まれの朝鮮人だった。両親は北の出身でホルモン屋をやっていた。どぶろく酒も売っていた。僕が成長してから後日談として彼から聞いたところでは、勝つとの自信がある場合に限ってしか絶対に喧嘩はしないというのだ。
 どうして、こんな話になったのか…。国会で党首討論が行われたが民主党の前原代表は“証拠”を出すことができなかった。勿論、堀江メールの真贋をめぐってのことでだ。挙げ句、問題が当の永田議員の辞職騒動にまで広がってしまった。完全に民主党が負けの様相を呈している。つまり、今回の前代未聞のスッタモンダで民主党は国会内での喧嘩の仕方が下手だったという訳である。
 今国会で民主党は、所謂4点セットで与党を攻撃する筈だったが、それがオジャンになり自民党は萬々歳。逆に民主党に感謝メールを送るなどと皮肉られている。
 ところで、さらに後々日談として風の便りで聞いたところによると、小学生の僕を助けてくれた朝鮮人のお兄さん(確か、名前は朴さんだった)は、ある日、スナックで喧嘩をし、逃げる途中で背後からナイフで刺されて死んだとのこと。僕は、その噂を聞いたとき、ただ呆然とするしかなかった…。いづれにせよ、政治は一つ間違えば殺し合いなのだ。