尊厳死か殺人か

 不老長寿は人間の夢。だが、必ず死ぬのだから、どのように死ぬのかを自分の中で、きちっとしておかなくてはいけない。今、富山県射水市の病院で尊厳死か殺人かが話題になっている。この種の話はちょいちょいニュースになり、「またか」の感である。
 私の父は5年位前に85歳で死んだ。ボケて放浪癖があった。転んで意識不明、病院に担ぎ込まれた。「スパゲティ状態」になった。亡くなるまで2ケ月間があった。連れ合いはすでに亡くなっており、長男の私が最も近い人間だった。私は気苦労だけではなく、色々大変だった。
 今回の問題で、当該医師は「消極的安楽死」だと云っている。尊厳死を法制化すれば、ベッドの回転率を早くするなどの必要性から、病院側の都合で延命治療の中止が行われる可能性が無いとは云えない。しかし、私はこの問題に関しては法制化が先決だと考えている。