僕の正体

 僕は漫才を中心にしてお笑いの世界が好きです。六十歳を過ぎて今以上に暇ができたらそれに関係する何かをしたいと思っています。いつからそれに惚れてしまったのか自分ではよく分からないのです。自然的にじわーっとなっていったみたいです。
 或る夢を見ました。♪夢を見ましょう夢を見てえぇー。昔の人は言いました。夢は見るほど艶がでるうぅ…。僕が本を書きました。漫才の台本でした。大手の興行会社の重役が買ってくれました。彼は「なかなか優れている。ヨシ、モット」と言って製作を促してくれました。
 僕は“笑い”がないと落ち着きません。真面目な会話だけで終わるとなんだか寂しいのです。
 しばらく前、関西喜劇界の重鎮といわれた岡八朗さんが亡くなりました。私生活面での不幸も報じられました。アルコール依存症だったようです。彼が生前「泣いた分だけ、笑わせたろか」と言ったのが印象に残っています。横山やすしさんと似ているなあとその時、思いました。それにしても喜劇人の死はどうしてより悲しく感じるのでしょうか。
 人生の“喜と悲”は結局、同じメダルの裏表かもしれない。

                今日、道端に、ちゅうくらいの秋を見つけました。