生きとし生きる

 若くはないので恋愛について書くとなると非常に気恥ずかしい。が、喉元に閊えている感じなので吐き出さないと、次に進めない。
 故石原裕次郎さんの非アクション作品のうちのひとつ「憎いあンちくしょう」について。相手役は浅丘ルリ子さん。私と同世代で映画好きの方なら観てる筈。二組の男女の恋愛を対比的に描いている。一方は九州の片田舎と東京との離れた場所に住んでいて、文通だけの純愛である。このふたりが最後に出会うわけだが,逢っても愛し合っている実感が湧かない。他方、心の中の好き同士で喧嘩しながらもしょっちゅう逢っている男女は生き生きとしている。そこを、九州まで車を運ぶとのロード・ムービー仕立てで裕次郎とルリ子が見せてくれる。 
 子供の頃、鳩を飼っていた。自然状態ではなく小屋だから人為が働く。鳩にとっては迷惑だったかもしれなかったが、つがい(夫婦)をつくった。小部屋に雄と雌を一定時間入れて置いて、その後解放した。仲良くなって交尾した。
 熱い情は日頃の触れ合いからしか生まれない。