金(キン)のはなし

10月10日、財務省が金を売り出した。高値が付いたらしいが、量が少ないので焼け石に水とのこと。現代日本の金融・経済に影響を与えるには程遠い。最近の国内外での金価格の値上がりは17年ぶりだという。買いたいと思っても私には縁遠い話である。しかしそうばっかりではない。金はかつて貿易の決済に使われた。国際通貨の地位にあった。その意味で、私自身の実利とは関係なく知的興味をそそられる。
 第二次世界大戦後、国際間の金融決済については米国の考え方を具現化してIMF体制が発足した。それは米ドルの金との交換を約束するものだった。しかしその後の時代の推移とともに、米国経済の実態への適応から1971年に金との交換性が停止された。所謂ニクソン・ショックである。金は廃貨された。だから現在のIMFは最初の姿とは違っている。
 当節、中国の人民元の大幅な再切り上げが噂されている。国際金融のお話は難しいが興味深い。