マブチ事件

 刑務所から出てきた人間がまた罪を犯してしまう。残念だとしか言いようがない。いったい何のための服役だったのか、その意味がない。
 マブチ事件は服役中に計画し出所後に実行された。怨念ではなく単なる行きずりの犯行だった。常習犯ともう一人も殺人の前科があるという。どうしてこのような危険人物を簡単に出所させるのだろう。不思議なことだ。
 法的に罪を償ったといっても、それは目に見える部分のことでしかない。人間の内面に潜む闇のところまでは裁けない。本人自身の自覚からはじまり、宗教的な慙愧・懺悔に至らなければ、真の更正は出来ない。それが出来るか否かで人間の値打ちが決まってくる。
 懺悔の度合いは様々だ。本物の懺悔とは身体の毛穴から血を流し、目の中から血を流すほど悔いるのでなければならない。
 マブチ事件の犯人たちには、こんな思想のかけらすらない。