平成の変

昔、稲作の発達で人間の定住化が進んだ。収穫の増大を図るため、灌漑事業が必要となった。だが、その方法は単一ではなかった。「俺の言うことを聞け」「否、逆にこっちのやり方を採れ」…。どちらかが譲れば丸く治まるが、そうでないと入れ札か殺し合いしかない。人間社会において、そのような事態が生じたらそれが政治である。
 現代の日本。小泉氏は「郵政問題は当初は政策論争だったが、次第に倒閣運動になっていった」と言っている。亀井静香氏は「解散を思い留まるよう3回話し合ったが聞いてもらえなかった」と語っている。組織に属している人間がそこを離れるばあい、自分から出て行くのと組織の意思で弾き出されるのとは決定的に違う。野田聖子さんは事実上、政治生命を絶たれたのでは…。
 今回の一連の政治上の動きを“平成の変”と呼ぶ人もいる。日本の歴史上いくつかの政変がある。例えば、明治14年の政変。大隈重信伊藤博文に負けた。