叙勲について

 毎年春秋には叙勲が行われている。今秋も森光子さんや長嶋茂雄さんが話題になった。僕が子供の頃、大抵の家には天皇・皇后両陛下の写真が飾ってあった。御両名様ともにその胸は勲章で満艦飾だった。戦前には華族制度も存在していた。彼らの写真もまた然りである。そのことの是非については僕には分からない。唯、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」との平等思想からすれば、ちょっと問題があるのではないかなとの気がしないでもない。
 叙勲については賛否両論があるようだ。社会に貢献された方々に日本国が感謝を述べる大切な制度だ。否、知りもしない人に対して、知りもしない人が勝手にその人の人生に格付けをしている。昔、大橋巨泉さんのテレビ番組の「こんなものいらない」の中でもやっていた。実際のところ本人は欲しくないが、後進の人たちに迷惑がかかるからといって、いやいやながらお義理で受けている人もいるといわれる。
 僕なんか勲章を貰ってもいい年格好になってきたが、頂戴と手を出しても絶対にくれない。羨ましいなあ。