文化芸術的な難題とはなんだい?

 今の時代、官民を問わず無駄の排除が第一義的な価値観になっている。かつての高度経済成長期とは違いお金を湯水のように使うことは許されない。例えば、最高裁で死刑が確定した罪人を長期間生き長らえさせて置くのは税金の無駄もはなはだしい。よって、即、死刑を執行せよ―という調子である。
 ところで、文化芸術の振興という面から難題が生じている。政府が進める独立行政法人の見直しで国立の美術館や博物館を統合しようというのだ。各分野の第一線に立つ人たちが反対している。曰く、「文化芸術の振興には市場原理や効率性・採算性とは相容れない面があり、一律に効率性を追求することは極めて危険である」「わが国の文化芸術の衰退につながる」と。
 造る側の考え方については無能な僕にはまったく解からない。只、歌舞伎なんか木戸銭が高いので安く見れるようになればいいと思うだけだ。始祖である出雲の阿国さんが世に出た頃、権力側の保護が伴って発展したのだろうか。
 小坂文科相が「心配のないよう検討する」と語った、と報じられている。ここでも政府は苦しい選択を迫られることになりそうだ。注目している。