日本社会の変化(後編)

 最近では、民主主義は大衆民主主義と呼ばれる傾向にあります。先日テレビを見ていたら、第一級の評論家が言っていました「小泉政治は劇場型の大衆迎合のそれで、人気取りに走り過ぎている。先に何か危険なものを感じる」と。
 しかし私はこの考え方には同意しません。別に危険など全然感じません。次のように考えます。即ち、「時代の推移が現代とこれからの政治の有様を“大衆が前提”になると教えている」と。その概念は既に「民主・労働者・生活者」等の言葉から湧くイメージを超えているものです。
 私の記憶に間違いがなければ、先進国首脳会議(サミット)の提唱者の一人だと云われているフランスのジスカールデスタン氏が、確か「人間から出発する社会」(邦題)という書物を著しています。それを読んでみれば、私の上述の考え方に関連して何か思索の手掛かりがつかめるやも知れません。暇が増えたらきちんと読んでみたい書物のうちの一冊です。(完)