日本社会についての雑感(番外編)

 ポスト小泉は誰かが政局の大きな焦点になってきた。それとともに増税が避けて通れない課題である。では増税の是非を巡ってまた総選挙で民意を問うかというと、それはないだろう。一部にそんな考え方があるにしても、政治を司る当事者たちにとってはどこ吹く風でしかない。また、民主党がどう文句を言おうが負け犬の遠吠えくらいの意味しかない。
 以前、国民投票制度について少し触れた。一つの問題に限って年に一度、国民投票を実施する。その仕組みが日本だけないのはおかしいと述べた。だが逆に多数決の論理だけでいいのかという言い方もある。民主政治は一面、衆愚的な部分を内包しているのではないか。数が多くたって質的な判断を誤ると日本は貧乏な国になってしまう。日出ずる国ではなく日沈む国だ。
 遠い昔の思い出。高校生の時の世界史の授業中に「政治は一人の王様にやって貰ったほうがいい」との意見を述べた生徒がいた。どういう意味か分からなかったが、それに対して先生が敢えて否定しなかったのをはっきりと記憶している。今から思うと、その生徒は随分と頭が良かったのだ。
 社会のピラミッドの頂点に立つのは、奪ってそうなるのではなく底辺から盛り上がって、支持されてそうなるというのが現代の日本社会だと思う。女性天皇が視野に入り、象徴天皇制が揺れ動いているようにも映る。時々刻々と社会は動いている。私には日本の将来像は全く見えてこない。