元祖プロレス

 毎年、大晦日の夜は家族でNHK紅白歌合戦を見るのが多数の日本人の在り様といわれてきた。しかし、最近では必ずしもそうではないらしい。裏番組で総合格闘技の「プライド」が台頭してきた。今年は吉田と小川が対決する。
 力道山が懐かしい。柔道出身の木村とどちらが強いかと勝負して、相撲出身の力道山が空手チョップで勝った。僕が小学校の高学年の時だったと記憶している。中学3年生の時、米国からブラッシーという奴が来た。この野郎は「噛みつき」が専門で、噛みつかれた相手は額からだらだらと血を流していた。僕とクラスメートはその観戦の印象を翌日、口角泡を飛ばして語りあった。テレビを見て興奮しショック死したおばさんがいたとか。とにかく、力道山の人気は凄かった。しかし彼はその後間もなく、何年か後に大火事で燃えたことでも有名になった赤坂のホテルでナイフで刺されたのが原因で死んでしまった。死後、分け前を巡ってだと思うが、弟子のジャイアント馬場(クエーカー教徒だったらしい)とアントニオ猪木が分裂してしまった。それから僕はプロレスを見なくなったのでどう展開していったのか知らない。離合集散を繰り返したり、新団体が生まれたり消えたりしながら現在に至っているみたいだ。今や、プロレスはお客さんが入らず閑古鳥が鳴いているとか。青息吐息らしい。「プロレスなんか単なる見せ物だ、つまらん」という世間の声が一時あったが、それに対し猪木は「何言ってんだ、そんな甘いもんじゃないぞ。そんなことを言う奴は、俺が道場で練習しているところを見に来い」と、怒っていた。
 大晦日には「プライド」を優先して見ることにしようかな。高田延彦が褌一丁の姿で太鼓を敲いて勢いを煽るのも面白い。紅白歌合戦は後でビデオで見ればいい。
 注)吉田と小川の対決は「プライド」の枠内でやるのか、それとも別の興行形態をとるのかは未確認です。