学歴コンプレックス

 マンションの強度偽装問題で時の人になったヒューザーの小嶋社長についてテレビでやっていたことで気になることがあった。彼は同窓会にロールスロイスで乗りつけ、費用を全部払うと云った。勿論、同級生は不快感を覚えた。人間、自信があればこんな見栄を張る馬鹿げた行為はしない。評論家によれば、里子に出されたりして子供の頃に手厚い愛情を受けられなかったのが原因で、こういう自分自身に自信の持てない人間が出来上がった。人前でお金を出すことによってしか自分は認められないと思っているらしい。
 男の場合は学歴がないと社会で生きていくうえで大きな劣等感になるという人がいる。それがどの程度に真実味を持った話なのか私には分からない。いつか見返してやろうという気になり、それがエネルギーになって出世・成功する人も多い。大作家・松本清張氏のすべての作品の原点はそこだ。古い話になるが、プロ野球史上で屈指の投手・金田正一氏は長嶋茂雄のデビューのとき「学生さんに負けるわけにはいかないよ」と云って連続四・三振にした。彼らは頂上の例だとしても、世の中大学出てなくても立派な人はいくらもいる。大学だけが人生じゃない。大学出てもアホはようけおる。
 だが、それが正の方向に働けばいいが、負に傾くとおかしな人格の人間が出来てしまう。迷惑を蒙る人たちが出てこなければ別になんでもないのだが。今回、社会問題化してしまった。困ったことだ…。