プロボクサーの筆記試験

 今、最も注目を集めているボクサー、浪速の闘拳、亀田興起さん(19)はデビュー2年目で世界に手が届いた。そして、弁慶の異名をとる弟の大毅さん(17)も、その拳の破壊力で兄をも凌ぐと騒がれている。このほどプロデビューした旨、テレビで見た。筆記試験があり、それにパスできるかどうか本人が不安な一面を覗かせているところが面白かった。 近頃では、総合格闘技のプライドが隆盛しており、国際式ボクシングは隅に押しやられてしまっている感がある。僕はプライドよりボクシングの方が好きだ。中学生の時、時代的には、丁度、力道山が殺られる頃と前後するが、ボクシングが全盛を謳歌していた。その魅力はカシアス・クレイの「蝶のように舞、蜂のように刺す」に象徴されている。
 小学生のとき、リングアナウンサーの真似の上手な子がいて、その影響からファンになった。白井義雄さんがパスカル・ペレスに負けてタイトルを失った試合をラジオで聞いた記憶がある。ファイティング原田海老原博幸、青木勝利の軽量級三羽烏が人気を博していた。その後、シャープなジャブでチャンピオンになった大場政夫がいた。彼は儲けたお金で親に家を建ててあげたが、高速道路で事故を起こして死んだ。強い選手はいっぱいいた。輪島功一さんが云っていた。「ボクサーに漢字は必要ない」と。亀田君が格好いいところを見せてくれたら、入場料を払って現場に観戦に行こうかな。僕はワクワクしている。