呪文オヤジ

 東京・東大和市で一夫多妻男が逮捕された。昨年、英国の大物歌手、エルトン・ジョンさんが同性婚を挙げたが、そのとき私は人間の性の在り方の観点から随分と衝撃を受けた。今回はまた、それとは違う意味で驚いている。男と女の一人づつの結び付きが普通の性感覚だとすれば、一夫多妻はいかにも不自然である。
 このスキンヘッド男が占い師を職業として始めたところへ事務員として応募してきた女性が呪文に引っ掛かってしまった。その女性も何らかの悩みを抱えていて、その心の隙間にはまったということだろうか。
 25年前、「イエスの方舟」事件があった。今度の事件は外形的には同じだが、核心の部分では全く違うといわれる。「…方舟」の場合は聖書の解釈の問題があり、そこから各女性が自分の生き方を模索していった。また、カルト事情に詳しい専門家は今回の出来事をレズ集団ではないかと見ている、。現在11人いる女性の中で(容疑者)とラブラブに見えるのは今の子供を産んだ女性だけで、ほかの女性とは普通の関係のようだという。同専門家は「主人の寵愛を受けられなくなった女性達は互いに慰め合っているかもしれない。アラブのハーレムではなく日本の大奥のような感覚かもしれない」と言っている。
 私も含めて、どんな男にも“複数の女”の意識は潜在しているが、それを全面に晒して平然としている神経は並ではない。奇妙な社会珍現象だが、これは小泉政権の自由放任容認政策を写し出しているといったら、「そりゃ、こじつけの言い過ぎだよ」と叱られるかな。