パラリンピックを思う

 近く、伊トリノ冬季オリンピックが開かれる。女子フィギィア、ジャンプを始めとしていろいろな話題で賑やかである。ところで、夏季については確実に記憶しているが、その前だか後にパラリンピックが開かれる。それは冬季も開催されるのかな。たぶん開かれるだろう。今回は特に注目が集まるのではないかな。というのは、また建物の偽装工事が発覚したが、それに身障者問題が関係していたからだ。
 ビジネスホテル・チェーン大手「東横イン」は、横浜市の条例で設置が義務付けられている身体障害者用の駐車場を勝手に撤去して、そのあとを広いロビーにしてしまった。意図的な違反なのでたちが悪い。無料で使えるパソコンを置いたり、朝食を出す食堂として使われる。この事実に対して、ある身障者団体の代表の方は、「全身から力が抜けるような気がした」と云っている。東横インのやり方は全く言語道断である。社長の記者会見での口振りや態度も、人をおちょくっているような感じだ。本人は「甘かった、反省しています」と云った。記者が「やましさはないのか」と問いただしたら「考えてみます」と返答している。この社長は徹底した合理主義で成功し、「東横インの経営術」なる本まで出版している。頭のいい人だから、自分達のやったことがどんなことか解らない筈はない。
 社会のリーダーとしての実業家は、利潤の追求と福祉社会の実現とのバランスについて、パラリンピックを見ながら、もう一度深く考えてみるといい。