踊り場

 経済の話は難しいが、分かりませんと云ってしまう訳にはいかない。定年を来年に控えて減収になるのが見えているのだから、自分にとって1円でも得をするような生活を心掛けなければならない。淋しい現実だが仕方がない。この先十数年、どんな経済環境になっていくのだろうか。
 私たちはよく「踊り場」という言葉を耳にする。景気が上向きになるのか、下向きになるのか、見極めが付きがたい場面で使われるようだ。1年余り前、ある著名な女性経済学者が「日本経済は、酒を飲んでアア・コリャ・コリャと踊りながら階段を上がるか、下がるか迷っている人間の姿に似ている」と発言していた。私たちの住む(経済)社会はインフレもデフレもよろしくない。自分たち個人が、富の獲得とその増殖に努力して毎日を過ごしているのだが、いつの時代にも政府はより良い経済環境を作っていくべく、その政策の舵取りを誤らないようにしなくてはならない。通貨の供給量についてもそうだ。最近、消費者物価がじわり、じわりと上昇してきたので、日銀による「量的緩和政策の解除」が言われている。不勉強でよく分かりませんが、兎に角、悪性インフレだけは御免蒙ります。
 日本経済は今、「アア・コリャ・コリャ…」と言いながら、踊り場から階段を上に昇って行くような気配にあるらしい。