たかが漫画

 たかが漫画、されど漫画である。イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画をめぐり、世界各地に騒動や抗議が広がっている。
 ところで、僕が漫画に初めて出会ったのは山川惣治氏の「少年王者」や「少年ケニヤ」あたりからだ。そんな頃「サンデー」「マガジン」という今に続く漫画雑誌が創刊された。「スポーツマン金太郎」が記憶に残っている。同時に流行りだした野球ゲームをやりながら胸をワクワクさせて読み耽ったものだ。映画アニメでは東映の「白蛇伝」をクラス仲間といっしょに見た。小学6年の時だった。しかし、その後の僕は徐々に漫画から離れて行った。中学生になってからは、活字だけでいろいろな空想をめぐらす方が好きになった。アニメではなんだか人物の動きが死んでしまっている感じを受ける。写実とは違うと思う。宮崎駿さんの作品が好評で子供といっしょに2本程見たが、世間でいうほど面白いとは私には思われなかった。「もののけ姫」の時、加藤登紀子さんが「日本にまた新たな神話(伝説)が生まれた」と語っていたので興味深く見てみたが、つまらなくなり途中で見るのをやめてしまった。漫画には下品でいかがわしいのも多いが、歴史などで教育的なものもある。勿論、漫画のすべてを一括りにして一概に駄目だと否定するのはよくない。
 漫画をどう見るか、作る側の表現の自由もありいろいろと難しい。仏教国に生まれ育った僕にはイスラム教やキリスト教の価値観については何も知らない。今回の騒ぎを引き起こした風刺漫画が一体どんなものかきちんと見てみたいものだ。