富士山のこと

 たまたま読書をしていたら、太宰治の「富嶽百景」に出くわした。有名な一説を引用する。「三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うのか、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすっくと立っていたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う。」今年の正月に富士山にはまだ雪が見られないとニュースになっていたが、今現在の富士山は雪景色で美しい。
 私はもともと登山に興味はなかったが、富士山には一度家族といっしょに登ったことがある。15年位前で子供がまだ小学生の時だった。その時は、残念ながら頂上からの御来光を見ることができなかった。しかし、八合目からのを見た。美しく、素晴らしかった。なんだか自分が宇宙の中に吸い込まれていくような感じがした。ところで、富士山は遠くから見ていると美しいが、内情を知ってうんざりした。ごみの山でずいぶん汚かった。そのため、世界遺産に指定されなかった。その後改善され、トイレなど相当きれいになったらしい。
 私にはまだ十分な体力が残っている。定年したら富士山に登り、今度は頂上からの御来光を見てみよう。頑張るぞー。