勘違い

 冬季五輪。ジャンプ・ノーマルヒル予選で日本の原田雅彦選手が95mを跳び、その後への期待感を持たせてくれたが、それも束の間、失格になってしまった。彼が使用する254cmの板に対しては体重が61kg必要だが、60.8kgしかなく200g足りなかった。「60kgあれば254cmの板は履ける」と本人が勘違いしていたらしい。
 私はこのニュースを聞いたとき、「ボクシングと同じだな」と思った。世界タイトル戦で体重が制限内に納まらない場合、チャンピオンはタイトルを失う。尤、ボクシングは体重オーバーだが、スキー・ジャンプはその不足だった。跳ぶ前にビフテキの一枚も食べておけば
それで済んでいたのかもしれない。原田さんといえば、その笑顔が印象的だ。スマイリー原田と呼ばれているらしい。平成12年に雪印乳業・大阪工場で食中毒事件が起きた際、彼が平謝りして広告塔の役目を果たしていたのを憶えている。
 今回、本人は、「大舞台での初歩的なミスで恥ずかしい、大変申し訳ない」とまた謝っている。残念だが仕方がない。次の機会に頑張ってもらいましょう。