忙中の閑

 「忙中の閑」の意味は、「心の緊張と弛緩」とは若干違うと思うが、何か書こうと考えていたら、これらの言葉が頭の中に思い浮かんだ。雑然としか書けないが、試みてみる。
 現今の国際情勢では、米国がイランの核施設を空爆するとの物騒な報道が昨日あった。もし、そんな事態が現実化すればイスラム過激派は、最後の手段として温存している“核のテロ”(核兵器は小型化し携帯が可能だ)を実行するだろう。米国は、長く広いその国境線のどこかから秘かに侵入して来るテロリストを防ぎ切ることはできないだろう。「蟻一匹が象を倒す」の喩があるが、実際に起きるかもしれないと想像すると身の毛がよだつ。恐怖感を抱くのは僕だけではあるまい。映画「ジャツカルの日」とそのリメーク版である「ジャッカル」で暗殺者の主人公が秘かに、目的地に入っていくスリリングなシーンを思い出した。正に、現時点で世界は緊張している。
 しかし、一方ではトリノで華やかに冬季五輪が行われている。選手達は一生懸命で気楽に観戦している我々とは違うが、それにしても所詮はお坊ちゃまや、お嬢ちゃま達の国際運動会である。戦いといっても、それは殺し合いではなく平和的なお遊びなのだ。正に、世界の人たちは気を緩ませて五輪観戦を楽しんでいる。
 何年か前、ミュンヘン五輪ではテロリストの事件があったし、ソ連のアフガン侵攻で、モスクワ五輪への出場を取り止める国が数多く出て、興味が全く無くなってしまったこともあった。世界平和への願いを込めた五輪開催は、国際間で部分的な紛争が絶えない今、まさに清涼の一滴で心が和む。
 さて、手短かなところで、僕の心の弛緩状態の創出…(なーんてオーバーな表現)。この忙しい今日この頃、どうやって閑をみつけ心を和ませましょうか…。そうだ、岐阜の梅林公園に行きましょう。♪梅は咲いたか、桜はまだかいなあ…。僕はこれまで、まとまった大量の梅の花を見たことがない。五輪が終わるとすぐ春になる。♪春よ来い、平和よ、早く(はあやく)来い…。世界にも僕個人にも「忙中閑あり」なのだ。