世襲あれこれ

 先日、北朝鮮金正日総書記が中国を訪問したが、その際の話の内容があれこれと取り沙汰されている。その中のひとつに金総書記の健康問題があった。そしてそれは慢性腎不全だと報じられた。当然、治療を受けたのだろうが、それより本人は自分亡き後の諸事情を考え、後継者の件で中国と相談したらしい。中国は北朝鮮に対し、世襲を辞めるよう説得したと伝えられている。どちらが正妻の子か知らないが、正男と正哲の二人が後継者の候補だ。北朝鮮は中国に生殺与奪権を握られている。石油は100㌫大慶油田からパイプラインによって供給されており、中国がバルブをひと捻りすれば、北朝鮮の息の根は止まってしまう。過去に北朝鮮が言うことを聞かないので、中国が一度バルブを閉めた。北朝鮮は困ってしまい、即、中国の言うことを聞いた。後継者問題での北朝鮮の出方が注目される。
 世襲の話は、日本においてもいろいろと話の種になる。国会議員も2世ばかりだし会社経営者もそうだ。それが可か不可かは外見からの判断は出来ない。要は、結果がよければすべて良なのだろう。
 会社経営については次のような話がある。即ち、起業から家業に成長するが、その次の企業への移行過程が難しい。パーフェクトの意味で成功したのがSONYで、流石にあのHONDAも勝てなかったと言われている。本田宗一郎氏は自分の息子を自分の会社にいれなかった。親子とも“甘え”が生じて、それが経営上の弊害になるからだ。HONDAは大成功を治めた会社になったが創業者の名前が残った分、SONYに負けていると、本田側の人間が語ったとか語らないとか…。
 さらには、我が国の天皇制だが、こちらの方のお世継に関しても様々な意見が錯綜している。その中で一つ気になるのがある。旧宮家の復活云々である。専門的なことは分からないが、敢えて、そんなことをしてまで、言わば無理矢理みたいにして、天皇制を存続させるのは歴史の流れに逆行する動きではなかろうか。大きく、長い歴史の中で、天皇制が自然的に消滅していくことは想像できないだろうか。それも一つの選択肢なのではないかな。女系天皇のお話は難しい。
 身近なところでは、我が息子。昨年、某大学を卒業したものの就職はしていない。浪人である。なんでも〇〇とか云う難しい資格試験に挑戦している。個人にしろ、企業にしろ、国家にしろ、いつの時代でもお世継問題は大変なのだ。