大きなショック

 僕は小学生になる前の一年間、幼稚園に通っていた。その園は家から徒歩で10分位の処にあった…。と、書き出したが、いまさら自分の幼少時の話をするのが目的ではない。
 三日前、滋賀県長浜市で起きた園児刺殺事件には大きなショックを受けた。容疑者(中国出身)の女性は「幼稚園ではお母さん同士でムツカシイヨ-」と語っている。日本人社会は外国人にとってはなかなか同化しにくいらしい。その女性は自分が疎外されていると一方的に思い込んだと伝えられている。園長は「子供の安全を考えると個別の送迎が一番の方法」と云っているが、そんなことは当たり前ではないか。
 話は逸れるが、現在も進行中のマンション強度偽装事件で“性善説”という言葉が使われたのは記憶に新しい。悪い事する人はこの世にいないとの前提に立っている。今回も同じだ。送迎を伴にする母親たちに人殺しなどいないと考えていたが、それがそもそもの間違いだった。考えが甘かった。今の日本、外国人だけが同化しにくいのではない。日本人同士でも周りの人間が信用できなくなっている。住みにくい世の中だが、なんとか修復できないだろうか。
 僕が園児の時は、禅宗の尼さんの先生が送迎してくれた。♪おててつないで幼稚園…♪だった。いつもにこにこしていた。成長してからも道で時々逢ったがやはり笑っていた。大仏様みたいにおでこに大きな黒子(疣だったかも知れない)があった。堀先生だった。