携帯に潜む危険

 携帯が日常生活のなかに深く浸透している。便利この上なく利用価値は大きい。それを「でんわ」と呼ぶのは必ずしも適当ではない。機能がいろいろ付いていて電話はその一部に過ぎない。携帯端末が正確な言い方と思う。
 だが、それは使い方を一歩間違えれば危険な凶器と化してしまう。車を運転中、対向車でそれを使っている人を見かけることもしばしばある。職業ドライバーのなかにもそういう人はいるようだ。
 私の知人のK君。港湾労働に従事している。危険職場の№1に位置している。親方役の彼の話によると、夜間に船上のコンテナで作業中、携帯電話、足を滑らせて落下、死亡した作業員がいるという。以来、その職場では休憩時間中でさえも全員が携帯の使用不可となった。携帯端末の利便性が減殺された。当然、会社に対し私権(自由)の制限をするなと不満の声が紛失した。一部の不心得な労働者のために全員が迷惑を蒙っている。K君は「もっとモラルを高めなくてはならない」と云っている。
 安全の標語―「携帯を持つ手、探す手が、事故を呼ぶ」。