新聞のこと

 私は最近、もう我が家での新聞購読をやめようかと思っている。パソコンと携帯端末ですべて間に合ってしまうからだ。其のことを家内に相談したら返事は否だった。今のまゝでいいと言う。朝、郵便受けに取りに行きコーヒーを飲みながらゆっくりと紙面を開いて読むのが楽しみの一つだとのこと。「ニュースはTVで十分」と私は思うが、家内にしてみれば新聞紙(かみ)が気に入っているらしい。まあ、性格が違うのだから何とも仕様がない。
 ところで今、新聞の特殊指定制度が問題になっている。耳慣れない言葉だが、同一価格と宅配を止めてしまおうと公正取引委員会が検討しているらしい。国会では同制度を廃止されたら困る人がたくさんいるとして反対の動きがある。
 先日、若い数人の知人との雑談の折り、この話題が出た。全員が家に新聞を取っていないのが分かった。読みたい時にコンビニで買うだけだと言った。新聞の出前は日本だけにある最も優れた制度の一つで、活字文化の維持・発展に大きく貢献していると云う人もいる。果たして本当だろうか。
 私は宅配の終焉がもうすぐそこまで来ている感じがする。値段だって各社まちまちで構わない。宅配へのニーズがあれば自然に生き残る。無駄なら、たとえ人為的に維持しようとしても必ず排除されていく。無情かも知れないがそれが経済の論理なのだ。