川柳への興味

 この年齢になって川柳に関心がでてきました。最近、そのおもしろさをひしひしと感じています。俳句と並んで短詩型文芸の両翼の一つですが、僕には川柳の方が性に合っています。これから迎える老いの楽しみとして意欲を燃やしています…。なんてオーバーに言ってはみたものの、実はまだ何も詠めてはいません。
 ところで、どこがおもしろいのでしょうか。それは、滑稽とか可笑しさを単純に指して表現しているのではないからだと思います。趣きが深いと云うか、たまらない魅力を秘めています。普段着でできる創作なので興味が尽きません。また、自分の想いを短い言葉に託すので言葉への関心を人一倍払うようになるのではないかとも思います。
 あの有名な作家の吉川英治氏が名を為す前、吉川雉子郎の名の川柳作家だったことを知りました。「貧しさも あまりの果ては 笑ひ合い」 代表作の一つです。そう云えば夏目漱石も小説を書く前、正岡子規といっしょに俳句をやってたらしいですね。
 さてさて、それでは僕は川柳の世界への旅を始めることにしましょう。自分自身の生活を豊潤にするために。また消えては起る日常の感銘を一句一句の中の実在にするために…。