政治雑感

 小泉首相は6月に訪米するがその際、米議会で演説するだろうか。それが実現するためには予め靖国神社を参拝しないと表明する必要があると、ある米議員が言ったそうだ。小泉さんはもちろん不快感を示した。そして安倍官房長官は「首相の米議会演説は無いし希望を述べたこともない」と語っている。この問題はこれで終りかもしれないがなんだか後味が悪い。「火の無い処に煙は立たない」から何かあったなと勘ぐりたくなる。
 先日、韓国のノムヒョン大統領と会談したアナン国連事務総長が「日本、中国、韓国が意見の違いを乗り越えるのは不可能だとは思いません」とインタビューで答えているが、なにしろその威信がすっかり失墜してしまっている最近の国連だけに発言にも重みが感じられない。
 ところで、小泉首相は「脱デフレ宣言」のタイミングを探っているが、今、経済より靖国の方が重要だと思う。政治が安定すれば経済問題は自ずから良くなって行く。いつまでも過去を引きずらず未来志向で現在を考えろとよく言われる。アナン氏はさらに「過ちを繰り返さないよう後世に正しい教訓を残していかねば」と続けた。
 首相の靖国参拝問題は現時点の日本政治の最大課題ではなかろうか。