ドライバーは大変

 この6月から改正道交法が施行され民間委託の駐車監視制度が始まった。しかし、私はクルマを運転しないのでこの問題は全くの他人事である。クルマは便利だがいろいろと煩わしい。公共の交通機関を利用し必要な時だけタクシーに乗る。タクシー会社は決めている。カード決済なので釣銭やチップのやり取りもなし。気楽でいい。
 ところで同法施行後の6日、初の妨害行為の摘発があった。25歳のアルバイト店員が、「ここに(バイクを)停めてはいけません」との注意に腹を立て「うるせぇ」と云って監視員に蹴りを入れたのだ。この男は“逮捕”にびっくりして平謝りに謝ったそうな。昔、学生運動をやっている連中に警察官をポリ公と呼んで彼らに反感を抱いている奴らが多くいたがそれを思い出した。このアルバイト店員は監視員という見做し公務員の背後に国家権力が存在しているのを知らなかった。山口百恵の歌に「♪馬鹿にしないでよ、そっちのせいよ」というのがあったがそれとは違う。権力には勝てないから「御免なさい」と素直になるのが賢い。
 一方、今回の同法の施行では「暮らしの足」も対象になっている。猶予時間はないらしい。一般の人の日々の営みを悪質性や迷惑性と関係なしに一律に違法とする取締りでいいのだろうかという人もいる。運転者は「ちょっとだけよ」との甘い気持ちを捨てなくてはならない。厳しいが仕方がない。国家権力とはそういうものだ。