場外バトル

 今、日本のボクシング界は亀田ブームに沸いている。長男の興毅が8月に世界タイトルに初挑戦する。そんな中、具志堅用高氏の発言をめぐって場外バトルが起っている。事の発端は先月26日付けの毎日新聞。「闘論」の欄で評論家の原功氏と話し合っているが、亀田サイドが具志堅氏の発言に対し激昂しているのだ。訂正して謝罪しなければ絶縁するとまで言っているらしい。
 私はこの件で人間の腹の太さ、即ち、度量の大きさとはどのようなことをいうのかを考えさせられた。世の中には相手の言うことにいちいち腹を立てる心の狭い人もいれば、泰然自若としたおっとり型の人もいる。私は極力、後者的な人間でありたいと常日頃願い、そのような構えで人に接するように心がけているのだが…。具志堅氏は「亀田は弱い外国人とばかり対戦している」また、「パンチを打つ順番が間違っていて、技術面はまだまだだ」などと言っている。彼が小っぽけな人間なのか、それともその程度の批判を聞き流すだけの度量が亀田のお父さんと協栄ジムの会長にはないのか。この話はなにもボクシング界だけでなく世間一般の人間関係すべてに通じると思う。
 いずれにせよ、8月の世界タイトル戦の結果がすべてである。意外な場外バトルを演じてくれたおかげで、私の興味は倍加したのである。